知っていますか?犬の体臭と糞の臭い、その原因は「食物不耐性」かも
ペットサロンを運営する皆様、日頃のトリミングやケアの中で、犬たちの体臭や糞の臭いが気になったことはありませんか?これらの臭いは単なる生理現象だけでなく、実は「食物不耐性」と密接に関わっている可能性があります。今回は、犬の体臭と糞の臭いの原因、そして食物不耐性との関係性について、ペット事業者様向けの視点から深掘りします。
犬の体臭・糞の臭いの主な原因
犬の体臭は、アポクリン腺からの分泌物と雑菌の繁殖、耳の病気、肛門腺の貯留、口腔トラブル、内臓疾患など多岐にわたります。特に、シャンプー後の生乾きは雑菌の温床となるため注意が必要です。
糞の臭いは、腸内環境の乱れが最大の原因です。悪玉菌が増殖すると、有害物質が生成され、強烈な臭いを放ちます。また、消化不良や不適切な食事内容、ストレス、さらには腸炎などの病気や寄生虫も臭いを悪化させることがあります。
食物不耐性が引き起こす悪循環
食物不耐性とは、特定の食材をうまく消化・吸収できない状態です。アレルギーのような免疫反応は伴いませんが、未消化物が腸内に留まることで、腸内環境を著しく悪化させます。
具体的には、未消化の食べ物が悪玉菌の温床となり、有害物質を大量に生成します。これらの物質は糞の臭いを強烈にするだけでなく、一部が体内に吸収されることで体臭の悪化にもつながります。さらに、食物不耐性は皮膚のバリア機能低下による皮膚炎や、下痢・軟便といった継続的な消化器トラブルを引き起こし、これらがさらなるストレスとなって腸内環境の悪化を招くという悪循環に陥るケースも少なくありません。
ペットサロン事業者様へ/肛門腺絞りの重要ポイント
体臭の一因ともなる肛門腺ケアは、トリマー様の重要な役割です。
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定期的なチェックと適切な処置: 小型犬や高齢犬、運動不足の犬は特に肛門腺が溜まりやすい傾向にあります。トリミング時には必ず肛門腺の状態を確認し、適切な方法で絞りましょう。
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無理な圧迫は避ける: 肛門周辺はデリケートなため、強い圧迫は炎症や痛みの原因になります。犬が嫌がる場合は無理せず、状態によっては獣医師への受診を促すことも大切です。
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異変の早期発見: 分泌物の色や粘度、臭いに異常がないか確認しましょう。膿が混じっていたり、極端な悪臭がする場合は、肛門腺炎などの可能性も考えられます。飼い主様への情報提供と獣医師への連携が、犬の健康を守る上で非常に重要です。

愛犬の体臭や糞の臭いが気になるときは、単なる表面的な問題として捉えず、食物不耐性や腸内環境の乱れといった根本原因に目を向けることが大切です。トリマーの皆様には、日々のケアを通じてこれらのサインを早期に発見し、飼い主様への適切なアドバイスや獣医師への連携を行うことで、犬たちの健やかな生活をサポートしていただきたいと願っています。